タニア・ブルゲラの《タトリンのささやき #5》(2008)は、美術館での出来事に観客がどう反応するかを作品の素材にします。作家の上演指示は、予告なしに行う行為として、騎馬警官と観客を構成要素に挙げます。また、上演と後日の記録は別物です。作家の指示書では、記録を上演の代わりに展示することは認められていません。

上演条件がつくる遭遇

指示書は、現役の騎馬警官二人、少なくとも六種類の群衆整理技術、観客がすぐに芸術作品だと気づかないことを条件とします。警察のイメージを描くのではなく、権威の身振りを実際にギャラリーへ持ち込み、観客の空間的位置を変える形式です。ただし、これは制作条件であり、すべての観客が同じ感情や行動を示したという証拠ではありません。

美術史家ヘレイン・ポズナーは、2008年にTate Modernのタービン・ホールのブリッジで行われた出来事と、観客が騎馬警官に反応した様子を記しています。これは特定の場所と出来事についての解釈で、普遍的な効果ではありません。ポズナーの抜粋では、観察された反応と、すべての鑑賞者についての主張を分けて読みましょう。同じ資料は、マイクと演壇を用いた別作品《タトリンのささやき #6(ハバナ版)》(2009)も区別しています。

短い鑑賞練習

  • 1. 確認: 二人の警官、六種類以上の技術、予告しない上演という条件に印を付けます。
  • 2. 解釈: 警官の動きが群衆の移動を変えるとき、権力が画像だけでなく空間関係としてどう現れるか一文で書きます。
  • 3. 限定: 観客の反応に関する批評家の記述を、その日の出来事に限定し、すべての上演へ一般化しません。

写真や映像は出来事を知る手掛かりになりますが、作家の指示では上演そのものを代替しません。記録だけで現場に居合わせた感覚を完全に再現したとは言えません。

参考資料