1. 目標年は運用方針の手掛かりで保証日ではない

TDFは目標時期を軸に資産配分を管理し、確定拠出年金の初期設定商品となる場合もあります。SECの2025年案内は同じ目標年でも投資・リスク・経路が異なり、退職所得を保証しないと説明します。対象は米国登録の投資信託・ETFで、CITは含みません。初期設定だから個人に最適とは限りません。

2. ToとThrough:配分変化が終わる時点

目標時期の前後で株式・債券等の配分が変わる経路をグライドパスと呼びます。To型は通常目標時期で配分変化が止まり、Through型はその後も続きます。どちらも目標日に株式や損失リスクがなくなる意味ではありません。名称でなく現在・目標日・最終配分と、最も保守的な配分に達する時点を資料で確認します。

3. 費用と全資産を記録する

「商品・正確なクラス・資料基準日/現在・目標日・最終配分/To・Through/最終配分到達時期/費用表の総費用・免除期間/他の保有資産」を並べます。基礎ファンドの費用が既に含まれるか確認し、二重に加算しません。SECの費用案内は運用費用と別のプラン費用等を区別します。販売手数料が見えなくても総費用ゼロではありません。別の株式ファンドを追加すれば家計全体の配分はTDFの経路と異なり得ます。

4. 401(k)研究の対象と限界

Mitchell・Utkusの2012年作業論文は自動加入、再加入、ファンドの振替などを分析します。全拠出をTDFへ移した集団で、若年層と高齢層の株式比率の変化の差が40パーセントポイント超拡大した結果で、全員に共通する適正配分ではありません。

同著者の2022年学術論文は標本で株式・債券が増え、現金・自社株と個別リスクが減ったと報告します。低コストTDFで30年後の資産が最大50%増え得る値はモデル上の期待値です。著者は雇用主・加入者の選択の影響からTDFだけの因果効果とは断定できないと明記しています。実現収益や退職所得の保証ではありません。

5. 同じ2045年の架空比較

A2045の現在配分を株式60%・債券40%、B2045を75%・25%と仮定します。残高が同じ10,000なら株式への配分額は6,000と7,500で差は1,500です。実商品の比率でも推奨比率でもありません。「A:To・Through確認待ち/B:Through・最終到達年確認待ち」と未確認事項を残し、同じ基準日の資料を求めます。これだけでAが優れている、目標年を変更すべきとは判断できません。