固有時間と座標時間

固有時間Δτは、一つの時計が自分の世界線上の二事象間で測る時間です。別の慣性系に対して等速で動く区間ではΔt=γΔτ、γ=1/√(1−v²/c²)となります。Einsteinの1905年論文英訳は光による同期とローレンツ変換を展開します。Max Planck Instituteの光時計解説は等速時計が相対観測者に遅く見える理由を説明します。

0.6cの計算例

時計が二事象の間に固有時間4年を記録し、その区間は実験室系に対して等速0.6cと仮定します。γ=1/√(1−0.6²)=1.25なので、実験室系の時間はΔt=1.25×4=5年です。同じ二事象についての計算であり、往復後の年齢差を完全に予測しません。

計算では、まず比較する二事象と、その両方を記録する時計を決めます。その時計の読みがΔτです。次にローレンツ因子を求める慣性系と相対速度を明示します。この順序で固有時間と座標時間の混同を避けられます。

cは光速、vは二つの慣性系の相対速度です。vがcより小さいとγは1以上で、v=0ならγ=1となり両時間間隔は一致します。この極限を確かめると計算の整合性を簡単に点検できます。

ローレンツ変換は時間だけでなく空間座標も同時に変えます。一方向の運動ではx′=γ(x−vt)、t′=γ(t−vx/c²)です。一つの系で同時でも位置が異なる事象は、別の系では同時とは限りません。0.6cの計算は一つの時計上の二事象の時間差であり、遠方の事象の同時性が普遍という意味ではありません。

ローレンツ因子は相対速度が光速に近づくほど大きくなります。式のvは選んだ慣性系に対する速度です。実験を比較するときも、どの時計・事象・基準系を使ったかを示すと時間差の意味が明確になります。

相互性と限界

等速運動する二人は、相手の時計が遅いとそれぞれ計算できます。遠方時計の同期と同時性の定義が系ごとに異なるためです。出発後に再会する比較には方向転換・加速が含まれ、一つの等速系では全経路を表せません。この例は平坦な時空と等速区間を仮定します。重力による時間差は一般相対論の対象で、再会比較には世界線全体が必要です。

出典