P波とS波から液体の外核を推定する方法
地震波の到着記録から外核の状態を推定する考え方を説明します。仮の計算で、波の到着時間差と実際に使える早期警報の時間を区別します。
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1. 観測するのは地球内部の写真ではなく到着記録
地震計は時間に沿った地面の動きを記録します。先に来るP波は圧縮波、S波はせん断波です。複数の観測点で波の種類と到着時刻を比較すると、通過した経路や内部構造を推定できます。一つの観測点で弱い信号が見えないだけでは、その下が液体だとは結論できません。
IRISの教育資料は、1994年のノースリッジ地震の世界各地の記録と波の経路を組み合わせています。同じ地震で生じた波でも観測点までの経路は異なり、種類によって速さも異なります。記録を読む際は、まず「どの波が、どの距離の観測点に、いつ到着したか」を確認します。
2. シャドーゾーンでもすべての地震波が消えるわけではない
液体は地震波のせん断運動を伝えられません。外核を通過するS波が観測されないことは、外核が液体だと推定する重要な根拠です。一方、P波は外核を通れます。核がすべての地震波を遮るという説明は正しくありません。
IRISの入門図では、震源から約100°を超えると最初のP波の到着が見られなくなり、外核を通ったPKP波は約140°より遠くで再び現れます。この角度は、地球の中心から見た震源と観測点の角距離です。約100–140°という範囲はこの教育資料での概略であり、すべての地震で同じ検出境界になるわけではありません。
まず該当する波の到着が欠けているかを確認し、異なる距離の記録や経路のモデルと比較します。シャドーゾーンとは特定の経路を持つ波の到着についての説明です。すべての種類の波や、あらゆる時刻の地面の動きがなくなるという意味ではありません。
3. 到着時間差がそのまま警報の猶予になるわけではない
理解のための仮の計算として、両方の波が同じ直線経路60 kmを一定の速さで進むとします。P波を6 km/s、S波を3.5 km/sとすると、t=距離/速さから到着は10秒と約17.1秒、差は約7.1秒です。この速さと経路は計算上の仮定で、実際の地球の普遍的な定数ではありません。
この例でS波が17.1秒に来ても、受信者が7.1秒すべてを使えるとは限りません。観測網での検出、位置や規模の推定、通知の配信には時間がかかります。震源の近くでは、揺れる前に通知を受け取る余裕がない場合もあります。
USGSが説明するShakeAlertは、すでに始まった地震を検出する仕組みです。将来の地震の発生日を予測するものではありません。実際の警報を評価するときは、計算上の波の到着時間差、システムの発信時刻、利用者の受信時刻を区別します。
4. 出典
IRIS:地震学で地球内部を探るは記録と外核の推定を説明します。USGSの地震早期警報の概要は検出・推定・配信を説明します。60 kmの計算は実際の地震での警報性能の測定ではありません。