2資産の変動性は共分散まで計算します

MPTは期待収益率だけでなく分散と共分散を扱う枠組みです。比率wと1−wがともに正で合計1となる、借入・空売りなしのポートフォリオを考えます。両標準偏差が正で相関ρ < 1なら、全体の標準偏差はwσA+(1−w)σBより小さくなります。比率0や変動性0の境界では厳密な減少を保証しません。空売りに同じ条件をそのまま適用できません。

仮想の年次入力はAの期待収益8%・標準偏差20%、Bの期待収益4%・標準偏差10%、各比率50%、相関0.2です。期待収益は6%、分散は0.5²×0.2² + 0.5²×0.1² + 2×0.5×0.5×0.2×0.1×0.2 = 0.0145、標準偏差は√0.0145 ≈ 12.0416%です。標準偏差の加重平均15%より低くてもBの10%より高く、全構成資産より低リスクという意味ではありません。

相関だけ1に変えると標準偏差は15%です。過去の低相関が将来も続く保証はなく、この50:50を計算しただけでは効率的・最適な配分とは分かりません。CFA Part Iは全体の標準偏差と相関の役割を説明します。

効率的フロンティアの意味

効率的フロンティアは、所与の資産、比率制約、期待収益と共分散入力の下で、同じ変動性に最大の期待収益を与える効率的な実現可能組合せの境界です。目標期待収益に対する最小分散を探す方法でも調べられますが、より低いリスクでより高い期待収益を与える組合せがある非効率な部分は除きます。入力や制約が変われば境界も変わります。

無リスク資産の導入と資本配分線(CAL)の幾何学的性質

モデルでは期間・通貨が一致する無リスク資産を仮定します。資本配分線(CAL)は任意の危険ポートフォリオと無リスク資産の組合せにも描けます。その中で効率的フロンティアに接する線の危険ポートフォリオが接点ポートフォリオで、モデル内のシャープレシオを最大化します。実際の国債を途中売却したり別通貨で保有したりすれば、無リスク仮定と異なり得ます。これを市場ポートフォリオと同一視できるのは、期待の同質性や無リスク金利での自由な借入・貸付など、CAPMの追加前提を置く場合です。トービンの分離定理により、このモデルでは接点ポートフォリオと無リスク資産の比率を調整してリスク水準を選びます。実際の結果は推定値、取引費用、借入可能性、投資制約によって異なります。

入力と計算目的を確認します

CFA Part IIはCAL・CMLとCAPMの追加前提を区別します。同じ期間・通貨のリターンを使い、期待収益や共分散を推定値と明記します。費用、比率制約、借入条件が変われば実現可能集合とフロンティアも変わります。標準偏差はこのモデルのリスク指標で、最大損失や必要時の流動性を保証しません。