接続する前に料金条件を確認する

渡航先・滞在期間・対応範囲・料金を比べてローミング、現地SIM、eSIMを選び、端末の安全も確認する概念図

出発前に、訪問する国ごとの通信会社の国際ローミング料金と旅行用オプションを確認しましょう。通話、SMS、データでは課金方法が異なる場合があり、日額プランも開始条件や自動更新が同じとは限りません。対象国、1日のデータ容量、高速通信の上限、上限後の速度、テザリング、更新条件を読みます。「無制限」という表示だけで決めず、上限後にどうなるかを確かめてください。購入条件と申し込み完了画面を保存すれば、帰国後に請求を照合できます。

地図、メッセージ、翻訳、配車アプリ、写真送信など、旅先での使い方を大まかに見積もります。動画通話やパソコンへのテザリングは、時折地図を見る場合より多くのデータを使うことがあります。正確な予測は不要です。1日の利用量と旅行日数を考え、日額料金の合計とプリペイド容量を比べましょう。現地へ電話する必要がある場合は通話料も確認します。データ専用プランでは現地の電話番号がないこともあります。

通常回線、現地SIM、eSIMを総額で比較する

短期旅行なら、いつもの番号を使える通信会社のローミングパスが便利な場合があります。日額に利用日数を掛け、到着時と最初の接続時のどちらで課金が始まるか確認します。長期滞在では現地SIMや旅行用eSIMの方が安いことがありますが、広告価格に通話、税、追加チャージ、周遊先の別の国が含まれない場合があります。同じ日数と容量で比べてください。

eSIMでは端末の対応状況と、他社回線を利用できる状態かを確認します。対応国、設定方法、有効期間、テザリング、返金条件も読みましょう。インストール時に有効になる商品も、渡航先で初めて接続した時に期間が始まる商品もあります。「設定」と「利用開始」が同じ意味とは限りません。複数国を訪れるなら地域プランの名称だけに頼らず、各国が対象か確認します。購入情報や設定方法は、これから使う回線だけに頼らず見られる場所に保存しておきましょう。

利便性も判断材料です。ローミングパスなら認証用SMSを受け取る番号を維持できます。現地SIMは現地番号を提供することがあり、データeSIMなら元のSIMを通話用に残せる場合があります。データ通信に使う回線を決め、使わない回線のローミングを無効にし、接続できない場合の戻し方も確認してください。

EUの「自国と同じローミング」は対象地域が決まっている

欧州委員会の案内では「Roam Like at Home」はEU 27か国に加え、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェー、ウクライナ、モルドバが対象として挙げられています。対象地域では通話、SMS、データを国内と同じ基準で利用できますが、公正利用条件や契約内容の確認が必要です。英国はEU離脱後、この制度の対象外です。通信会社が同様の特典を自主的に続ける場合もあるので、渡航前に契約を確認しましょう。「ヨーロッパ旅行」というだけで、全ての国境を越えて追加料金がないとは限りません。

欧州委員会は、航空機や船舶で使われる衛星などの非地上系ネットワークは制度の対象外で、通常は高額な追加料金が発生すると説明しています。料金を確認して使う場合を除き、航空・海上区間ではモバイルデータやローミングをオフにします。陸上でも国境付近では隣国のネットワークにつながることがあります。対象国と接続通知を確認してください。欧州委員会の案内はEU制度を説明するもので、各通信会社の個別価格を定めるものではありません。欧州委員会のローミング案内

専門家の視点:通信と端末内の情報を別のリスクとして扱う

Electronic Frontier Foundation(EFF)のデジタルセキュリティ案内は、携帯電話に連絡先、個人的なメッセージ、金融・医療情報、写真などが保存され、紛失・盗難や第三者のアクセス時に何が起きるか考えるよう説明しています。この資料はローミング料金を比較するものではありませんが、SIMを替えても端末に保存した情報は消えないという旅行準備の観点に役立ちます。出発前に強い画面ロックと利用可能な暗号化を確認し、不要な機密ファイルを持ち歩かず、公共Wi-Fiから機密性の高いアカウントへログインする必要があるか考えましょう。仕事用端末は組織の出張時の規則に従います。EFFの一般案内は個人の法的リスクや国境での状況を判断しないため、業務上の機密情報は組織の担当者にも確認してください。EFFの端末データ保護ガイド

到着後に接続先と利用量を確認する

到着したらデータを使う前に、端末が実際にどの通信会社へ接続したか確認します。旅行用eSIMがつながらない場合は、提供会社の対応ネットワーク案内を見て、何度もプロファイルを有効化したり端末を初期化したりしないでください。利用量通知やデータ上限を設定し、写真の自動バックアップ、アプリ更新、クラウド同期、動画の自動再生を必要に応じて制限します。容量が少ないプランでは、操作していない間にもデータを使うことがあります。問い合わせ方法はオフラインでも見られるよう保存しましょう。

帰国前にはオプションが自動更新されるか、旅行用プロファイルをいつ無効化・削除できるかを確認します。解約の確認も保存してください。対象国、総額、利用開始時点、データ容量、通話とテザリング、データ用に選んだ回線を出発前に点検すれば、表示価格だけで選ぶより予想外の請求を防ぎやすくなります。

出典