成長マインドセットは、努力だけで必ず能力が伸びるという約束ではありません。学習や経験を通じて能力が発達しうるという見方です。Yeagerらの米国中等教育生徒を対象とする全国実験では、1時間未満のオンライン介入後、成績の低い生徒の成績が改善し、全体として高度な数学科目の履修が増えました。同級生の規範が挑戦を支持する学校で効果が大きかったという結果は、成績の低い生徒の成績についてです。数学科目の履修結果と混同してはいけません。すべての学校・学習者に同じ結果が保証されるわけではありません。Yeagerらの原研究

声かけを学習行動につなげる

  • 「もっと頑張って」だけでなく、どこでつまずき、どんな方法を試したかを具体的に尋ねます。
  • 次に試す方法を一つ選び、短く練習して何が変わったかを確かめます。教師や仲間に質問することも学習行動として扱います。
  • 点数だけでなく、方法を使ったか、助けを求めたか、誤りを修正したかを似た課題で見ます。以前の成績と教室の雰囲気も踏まえて解釈します。

例:分数問題を間違えた生徒に「数学が苦手な人だ」と決めつけたり、「努力すれば必ず解ける」と約束したりせず、分母を通分した箇所を見直します。図や別の例題で再試行し、次の問題で方法が役立つか確認します。

Siskらは、マインドセットと成績の関連(273効果、N=365,915)と介入効果(43効果、N=57,155)を別々にメタ分析し、両方とも全体効果は弱いと報告しました。学業上のリスクがある生徒や社会経済的地位が低い生徒の一部には利点があり得ますが、全員の成績向上を保証するものではありません。一つの励まし文句や授業だけで成績が上がるとは断定できません。Siskら「To What Extent and Under Which Circumstances Are Growth Mind-Sets Important to Academic Achievement? Two Meta-Analyses」(2018)

出典