血糖値だけを見ても、なぜ変化したかは分かりにくいものです。食事の時刻、活動、薬、測定方法も記録すると、医療チームとパターンを確認しやすくなります。米国国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK)は、血糖値を日付・時刻、食事、活動とともに記録し、医療チームと見直すよう案内しています。個人の目標範囲は状態によって異なります。NIDDKの糖尿病管理案内は測定値を食事・活動・薬の計画と合わせる考え方を説明しています。

インスリンとグルカゴンは単純なオン・オフではない

インスリンは膵臓で作られ、ブドウ糖が細胞に入りエネルギーとして使われるのを助けます。血糖が低いと膵臓のα細胞がグルカゴンを分泌し、グルカゴンは肝臓にブドウ糖を放出する信号を送ります。NIDDKの膵ホルモン研究の解説は、β細胞によるインスリン分泌と合わせて説明しています。NIDDKは、糖尿病ではインスリンが不足したり、体が適切に使えなかったりすると説明しています。NIDDKの糖尿病概要は基本的な生理を示すもので、個人の血糖変化を二つのホルモンだけで説明するものではありません。食事、活動、睡眠、病気、ストレス、薬、測定時刻なども関係します。

血糖記録を見直す四段階

  • 1. 機器の種類、単位、測定時刻を書きます。食前か食後か、指先測定か持続血糖測定器(CGM)かも区別します。
  • 2. 食事や間食の内容と時刻、活動、服薬時刻、体調不良を簡潔に記録します。全栄養素を計算する必要はなく、自分の管理計画で求められる項目を優先します。
  • 3. 一度の高値・低値に反応するのではなく、繰り返す時刻や状況を見ます。予想外の値では、機器の確認や再測定について医療従事者から受けた指示に従います。
  • 4. 目標範囲から外れる値が続く、低血糖が繰り返す場合は、記録を医療チームに見せます。インスリンや薬の量を自己判断で変更しないでください。

架空の例として、昼食後に高めの値が何度か出た人を考えます。食事の時刻と内容、測定時刻、散歩、薬の時刻を記録すれば、診療時に具体的な質問を用意できます。記録だけでは特定の食品が原因だと証明できず、炭水化物量や薬の調整も決められません。次の対応は診断、目標、治療計画を踏まえて医療チームと決めます。

見落としやすい点と安全上の境界

指先測定器はその時点の血液を測り、CGMは皮膚の下の組織液の変化を追います。測定方法の異なる値やA1Cの長期平均を同じ数字として扱わないでください。記録アプリも時刻や単位が誤っていれば誤解を招きます。低血糖の反復、重い高血糖症状、混乱、失神、呼吸困難、糖尿病性ケトアシドーシスが疑われる場合は、通常の記録整理で待たず、緊急時の計画と医療従事者の指示に従ってください。この記事はインスリンとグルカゴンの概要であり、診断や薬の調整指示ではありません。

参考資料