自社株買い後のEPS・ROE上昇を読む
買戻し価格、差引株数、資金調達を分け、事業成長と比率の機械的上昇を区別します。
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自社株買いは還元方法であり価値上昇の保証ではありません
企業は配当や自社株買いで現金を株主に還元できます。流通株式が減れば残る株主の持分比率は上がりますが、会社から現金も流出します。持分比率の上昇だけで1株の価値が自動的に増えるとは判断できません。買戻し価格、投資機会、残る現金、新たな負債を合わせて見ます。税務は国・口座・取引構造によるため、ここでは普遍的な税制上の利点を仮定しません。
利益が増えなくてもEPSが上がる計算
実企業の成績ではなく、同じ通貨単位を使う仮想的な静態比較です。純利益100、株式100株、帳簿自己資本1,000の企業が、1株10で現金200を使い20株を買い戻すとします。利益が一定なら単純なEPSは100/100 = 1から100/80 = 1.25へ25%増えます。自己資本が800になるなら期末自己資本に対する利益率は10%から12.5%です。売上や純利益の成長の証拠ではありません。
実際のEPSでは期間加重平均株式数と希薄化を確認し、ROEでは平均自己資本かどうかを確認します。この例は期首に買戻しを終え、新株発行、利息、税の影響がないと仮定します。代わりに200を年5%で借り、税を除くと純利益は90、EPSは90/80 = 1.125です。EPSが高くても利息負担と財務リスクが増えます。
開示で確認する順番
承認枠と実際の執行を区別し、平均買戻し価格と株数を確認します。同時に従業員向け株式やオプション行使で新株が生じるなら、差引株数の減少を計算し直します。手元現金か借入かを調べ、利息、流動性、投資計画と比較します。これは比率変化の理由を調べる手順で、最適WACCや適正株価を求めるものではありません。
Scott Weisbennerによる2000年FEDS研究の公開要旨は、過去のオプション付与によるEPS希薄化を買戻しが相殺し得るという標本分析を示します。全企業の買戻し動機を証明するものではありません。
専門家の視点: 連邦準備制度による自社株買い研究の論点
連邦準備制度の2つの研究は、企業投資と自社株買いの関係、および1990年代の買戻しにおけるストックオプションの役割をそれぞれ扱います。EPS目標達成のためにR&Dや設備投資が削られる、または買戻しが一般に長期生産性を下げるとは、これらの資料から断定できません。
出典および参考資料: