最終償還年限の限界とマコーレー・デュレーションの数理

債券の価格変動リスクを単に最終償還期日までの「残存年数(Maturity)」のみで評価することは、クーポンの支払時点の違いを見落とします。同じ満期10年の債券であっても、表面利率(クーポン)が高ければ早期に多額の利息が投資家へ回収されるため、実質的な資金回収期間は短縮されます。フレデリック・マコーレーによって考案された「マコーレー・デュレーション(Macaulay Duration)」は、将来発生するすべての利息および元本キャッシュフローの現在価値をウェイトとして加重平均した「資金回収までの平均残存期間」として定義されます。

修正デュレーションは小幅な利回り変化の近似です

年m回複利の年率YTMをyとすると、Dmod = Dmac / (1 + y/m)、ΔP/P ≈ −Dmod × Δyです。Δyには小数を入れます。100bpは0.01で、利回りの1%の相対上昇ではなく1パーセントポイントの上昇です。Dmodが8なら±100bpに対して約∓8%ですが、実際の価格変化が対称とは限りません。CFAの債券評価解説は約定キャッシュフローと割引率から価格を求めます。

同じ債券を再評価して誤差を比べます

計算説明用の仮想例です。オプションなしの8年満期ゼロクーポン債が満期に100単位を払い、年1回複利のYTMを5%とします。P = 100/(1.05)^8 = 67.6839、Dmod = 8/1.05 = 7.6190、C = 8×9/(1.05)^2 = 65.3061です。Cは価格の利回りに関する2階微分を価格で割った値で、同じ複利条件を用います。

YTMが6%になると、デュレーションだけでは−7.6190%、コンベクシティを加えた−Dmod×0.01 + 0.5×C×0.01²では−7.2925%です。再評価価格100/(1.06)^8 = 62.7412から求める正確な変化は−7.3026%です。YTMが4%なら正確な変化は+7.9562%で、線形近似の+7.6190%と異なります。2次近似はこの例の誤差を減らしますが、急変時の精度を保証しません。

オプションと利回り曲線の変化を分けます

DunetzとMahoneyの1988年研究の公開要約は小幅変化の近似とコールオプションの影響を区別します。固定された正のキャッシュフローを持つオプションなし債券の正のコンベクシティを、全債券に一般化できません。コール条項によってキャッシュフローが変わり、負のコンベクシティになる場合もあります。

まず単位、複利回数、修正か実効デュレーションかを確認し、小さなショックを計算します。大きな変化ではキャッシュフローを再評価します。この例は単一YTMの変化であり、曲線の非平行移動、信用スプレッド、流動性、為替リスクを一緒に測るものではありません。